はじっこに置いといてください。たまに読んでください。

日常の感じたことや出来事をつらつらと。20歳になりました

さどん

わすれてた

人って簡単に死んじゃうんだって

いつかいつかとは思っていても、どんなに心算ができていても、それは突然なんだって

 

朝はすごく寒かった

駅前に集った喪服の人を横目に僕はなにも感じなかった

昼間は友だちと何事もなく楽しく過ごした

夕方バイトに来て皿を拭いていたらカウンター越しに小さな声で「白血」と聴こえて僕の心臓は鳥肌をたてた

仕事が終わりまかないを食べながら開いた携帯に「ご逝去」の文字を見た

喉がみるみる乾いて噛んでいたご飯を飲み込めなかった

連絡を読み返したり鼻から大きく息を吸い込んでみたりした

皮肉にも噛みつくされたご飯のほのかな甘みがしっかり口の中を支配していた

 

かの人の最期の意識にはもちろん僕が入る余地はなかっただろうが

僕の意識はかの人の思い出とご飯のほのかな甘みでいっぱいになった

 

お世話になりました。ご迷惑をおかけしました。ありがとうございました。

社会で経験を積んだ大人の話を聞くのもいいけど

自分の世界を持ってる子供の話を聞く方が得られるものは多いとおもうんだ

728文字のフィクション

雨は特別な天気だ

いつでも大切なことが起こるのは雨の日で

それでも雨は当たり前のように落ちてくる

銀色の舗道と水たまりの表面に踊る水滴を見ると何処からともなく深いため息がついて出た

僕は水たまりを踏んづけて自分のくしゃくしゃの顔が映らないように下を向いて歩いた

この道を歩くことは今後ないのだろうと考えて振り向いたり、白いため息を呼吸に紛れ込ませてみたりして狭い道幅の長く暗い道を名残惜しみながら歩いた

すぐ横の駅のホームから電車の発車ベルが聴こえて僕の足は止まった

僕と"誰か"の体との物理的な距離がどんどんと時速120kmで突き放されて行ったと同時に"誰か"について行った僕の心と残された"体っぽ"との精神的距離も大きく広がった

電車の光が見えなくなるまで立ち尽くしていた僕が何を考えていたのかは憶えていない

口の中は血の味がした

的外れな恨みつらみを並べてみたり独り言を言ったりしたけど白く空に昇って行くばかりで自分の小ささをつめたい風に刺されるばかりだった

一抹の後悔とこれでよかったという安堵感を胸にしまった

雨は弱くなる一方でもっと強く僕を叩いてくれと思って歩いた

いつの間にか駅の明るい光が見えてきて改札と雑踏の音とがどかどか耳に入ってきた

逃れるためにイヤフォンをつけた

ガラガラの電車に"体っぽ"を乗せてだらしなく座らせ外を見たり向かいに同じようにだらしなく座っている人を見た

夜の駅と夜の電車は少し眩しすぎた

最寄駅につくアナウンスが聞こえてイヤフォンからは何の音も流れていなかったことに気がついた

誰に見られているでもないのに焦りを隠しながら急いでそれとなく音楽を流した

やっぱり最初から最後まで雨の日は特別だった

きっとこれからも。

 

 

拍動

 意識の外にあった当たり前のものが突然意識の中に現れるとそれをどうしたらいいのか、どうしていたのかわからなくなる

呼吸のリズムだったり

舌を口の中にどんなふうに納めていたのかだったり

気になり出すともうダメでそればっかり考えてしまう

わからなくなって息が苦しくなったり

歯の裏を撫でてみたりする

 

心臓が意識の外で動いてくれていてよかった

これまで気になり出したら3000回くらい死んでいるはずだ

でも心臓に意識が向かっても息は苦しくなる

 

心臓が意識的に体を動かす僕らの意識の外で動いているのはおもしろい

 

人の死への不安はそんなところから来ていたりするのかななんて

雨止み

花散り

外寒く

僕眠い

髭伸び

髭剃り

家探し

湯冷め

0:46〜1:00

終電がこない

黄色いホームドアのある駅で柱にもたれてる

3分遅れで入ってきた電車に乗った

この駅から5個先の住宅街が終点のくせに

人がたくさん乗ってる

斜め前に座っている赤毛の女の人が僕の足と顔を交互にじろじろみてくる

履いているズボンには学校名が書いてあるのを思い出した

目の前では男梅のようなおじさんがうつむいている

電車を降りた

ピンヒールをカツカツ鳴らして階段を上がる女の人の手を髪の毛がツンツンのチビ男が得意げに引っ張っている

くだらない自慢話をしている

この時間まで一緒にいて

 自慢話なんてよっぽど話すことがなかったのか

自分がどれだけ優れた男か示してピンヒールを抱こうとしてるかのどっちかだ

でもチビだからだめだ

 

濡れたアスファルトは銀色に見える

きれいだすごく

 

水たまりを踏んだ

関係ないけど部屋を片付けようと思った

 

家の玄関灯は消えてる

鍵が閉まっている予感だ

 

閉まってたくそ

なんだかんだ電車が来て家に着いた

おやすみなさい

 

またあした。

 

 

寝不足

 席の空いていない電車

この人降りそうだなと直感に頼って前に立つ

次の駅ではその隣の人が立ち上がって降りていき、その前に立っていたなんにも考えたいなさそうな学生がストンと座った

 

 思い返せばこんなことばかりで生きてきた

 

小学校の頃のグループワークでは好きな子と同じ班になろうと偶然を装って集まったらその班だけ人が多くなって、じゃんけんで負けた俺が違う班に移ったり

 

幼稚園の頃は友達が家に遊びにきて楽しくしている中で俺だけお腹が痛くなって半泣きでトイレにこもりながら外の賑やかな声を呪ったり

 

買った服を家で見てみたら端っこがほつれていたり

 

口述のテストで俺の番だけすごく難しい問題になったり

 

そんなことばかりで生きてきたんだ。