都会っ子参上
頻繁に来る電車
自動改札
等間隔の電柱
灰色の空気
どれも僕にあってるなと帰ってくると思うんです
飛行機で本土から離れてワクワクしたし
きれいな空気とよく見える星、製紙工場の大きな大きな煙突と雲を作ってるようなもくもくの煙も全部久々で新鮮で
聞こえてくる言葉のイントネーションの違いも心地よくて
電車の車窓から見える田んぼ、オムツ工場、ティッシュ工場
どれもすごくいい刺激だった
泊まったホテルの枕はどんぴしゃだったしね
だけどやっぱり帰ってくると思うんです
やっぱりここだなって
もしここで一旦セーブしてデータをいつでもロードできる状態でニューゲームを始められるなら田舎に生まれて田舎の学校に通ってってのもやってみたいなって思った
思っただけ
イージーモードのパワープレーで生きていきますよ
ありがとう愛媛。僕に優しくしてくれて。
きらきら
椅子が進行方向を向いて並んでいる電車に長いこと乗るのが好きだ
1人で好きな音楽を聴きながら窓を覗いて自分と逆に走っていく線路や草木を目で追う
ごみみたいな記憶がどかどか押し寄せてきて前に進んでいるのに変な感じだ
切符を確認しに来た車掌の作り笑顔を視野の端っこに入れて車掌を1回も見ずに切符を渡した
ありがとうございますって横から聞こえて
目の前に切符を出され何も言わずに受け取った
こんなに愛想を振りまけないほど疲れたのかと思ったけどきっとそうじゃない
車掌のありがとうございますは俺に向けられたものに感じなかった言う決まりだから言ったんだよって聞こえた気がした
それにヘッドホンから聞こえる音楽、外の音や景色、人の声や動きに自分を混ぜたくなかった
そういう気分に浸ってたんだろう
ごみみたいな記憶がすごいスピードでたくさんぶつかってきたせいかな
ごみみたいな記憶なのに思い出すのは腑に落ちていないからか
ごみにしてしまいたいからか
どっちでもいいや
車内の冷房がきついんだ
ようやっと、見知った土地に帰ってきた。