いつか、忘れてしまうから。

感じたことを"エモい"で片付けるのやめた

におい

ニベアの保湿液の空き瓶を部屋で見つけた
蓋を開けてにおいを嗅いだ
においは瓶にしっかり残ってた
記憶も頭にしっかり残ってた
人生で一番クソな片思いの記憶だった
部屋ではiPhoneからブルーノマーズがthe lazy songを歌ってた
クソ片思いをしてた時期に何回も聴いてた曲だった
もう忘れたと思ってた
嗅覚と聴覚が全部思い出させた
会話も、気持ちも、出来事も、全部
むかつくほど鮮明に
思い出は美化されると言うけど
美化されててもクソだった
美化のしようがなかったのか
美化したいほど縋ってもいないのか

こういうことはよくあって
例えば花屋の前を通ると5、6歳の時に母の見舞いに行った病院を思い出す
花のにおいだ
病院のにおいは覚えてない
だから花屋のにおいはすきじゃない
暗くなってしまう
昔の記憶を思い出して暗くなるのではなくて
人にそう思われることが嫌で暗くなる
自分はとびきり人に気を使うくせに人に気を使われるのはすきじゃない

どのにおいがどの記憶とリンクしてるのかはわからない
だけどふとした時ににおいをかいで
なんでいまこの記憶なんだろう
なんでこのにおいなんだろう
ってたどっていくとそのにおいに行き着く
それがおもしろい

鼻があってよかったよ。